NEWS新着情報

7月4日開催 ニセコ地域地熱発電の資源量調査に関する住民説明会資料掲載のこと(第10報)

2023年7月 5日 蒸気噴出について

     

 

ニセコ地域地熱発電の資源量調査に関する住民説明会

 

開催日時:2023年7月4日(火)19時~

場 所  :蘭越町 山村開発センター

 

説明内容の書き起こしは以下の通りです。

_____________

この度は急なお声がけ、また遅い時間にも関わらずお集まり頂きまして申し訳ございません。

 

この度、弊社が地熱発電の資源量調査事業を実施する、蘭越町湯里地区の掘削現場にて、蒸気噴出という事態が発生致しました。

近隣住民の皆様や関係各位に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。

 

現在、弊社では噴出自体の対策と共に、現場周辺エリアの大気に含まれる硫化水素ガスの濃度検査を実施しておりますが、現時点まで硫化水素ガスは検出されておりません。噴出直後の消防点検でも、健康を害するレベルではないとの報告を受けております。また、噴出物に関しては石英を主成分とした鉱物であることが判明しておりますが、その鉱物自体に毒性は御座いません。水質に関しては本日一部検査結果を受領しており、(6地点のうち)一部モニタリング場所で砒素の値が農業用水基準を超えていることがわかりました。土壌に関してはサンプル採取を既に完了しており、分析機関からの結果待ちの状態です。

 

なお、蒸気噴出時に現場敷地内に配送のために訪れていた方1名が、現場を離れた後に体調不良となり入院されて、翌日に退院されていることは認識しております。

 

蘭越町・ニセコ町の皆様には、様々な形でご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げたく存じます。取水制限による農作物被害につきましては、確認の上で本件と因果関係のあるものについては適切な形で補償させて頂く方針です。その他事案に関しても、損害の範囲等は個別の事情により様々であると存じますので、まずは個別にご相談頂きたく存じます。

 

今後も引き続き関係当局のご指導を仰ぎつつ、適切な対策と事態の収束に全力を尽くしてまいります。

 

<詳細ご説明>

発生経緯について

6月25日に掘削開始し、6291130分頃、通常の掘削作業でも蒸気が出ることはありますが、作業中に坑内から蒸気が噴出し、同日1200分に消防へ連絡を行っております。1400分に消防による現場確認にて、噴出ガスが確認されておりますが、周辺大気中における硫化水素ガス濃度は健康を害するレベルでないとの報告を受けました。同日1500分には近隣河川へ噴出物の流入を確認しております。

本社の対応としては、事故発生後に直ちに緊急対策本部を立ち上げ、現場と連携しつつ蒸気噴気を抑制すべく、対策を検討しております。

 

噴出ガスについて

弊社による現場周辺地域(投影資料の4地点)ですが、一般の方が立ち入るエリアで空気中の硫化水素ガス濃度の測定を実施しております。検査機器手配もあり、蒸気噴出の翌日630日午後330分より開始できましたが、その後、71日午後3時、72日午前9時、73日午前10時、74日午前9時に測定しております。結果は全て0ppmであり、硫化水素ガスは検出されておりません。なお、一般の方は立ち入り禁止エリアとなります掘削現場の硫化水素ガス濃度は73日午前10時が0.4ppm74日午前9時が0ppmでした。

 

硫化水素中毒の方について

6月29日の蒸気噴出時、現場敷地内に配送のため訪れていた方1名が現場を離れたのちに体調不良を訴えて入院され、翌日に退院されています。弊社は退院後である同日17時頃に蘭越町から第一報を受け、19時に配送を依頼していた協力会社を通じて、硫化水素中毒と診断されたとの連絡を受けております。なお、蒸気噴出時に現場にいた作業員に体調不良を訴える者はおりません。近隣住民の皆様の不安を煽ることを防ぐため公表を控えていました。公表を控えることにより、かえってご不安をまねく事となりましたこと、お詫び申し上げます。

 

噴出物について

噴出物については、専門業者による分析の結果、主成分は石英であり、少量のその他鉱物を含んでいることが71日に判明しております。

石英とは土壌に含まれる最も一般的な鉱物で、細かく砕けたものがいわゆる「砂」となります。石英ガラスや光ファイバー等の材料でもあり、それ自体は無毒とされています。その他の鉱物についても、無毒の鉱物となっております。

周辺環境(植物等)への影響については、噴出物をしばらく水に浸したものを分析しておりますが、酸性・アルカリ性の度合いを示すペーハー値(pH)は中性レベルとなっています。

 

河川への流入及び水質検査について

噴出物がニセコアンベツ2号川に流れ込むことにより河川が白く濁っております。噴出物の混入した現場の水が河川へ流入することを抑えるべく、現場敷地内で土嚢を積むなど対策を実施しております。

重金属を含む物質を対象に水質調査も実施しております。630日に現場周辺(投影資料の6地点)でサンプル採取し、外部専門機関にて分析を行っておりました。

弊社としては少しでも早く検査結果をお出しすべく、一部について本日先行して検査結果を受領できました。投影資料のABD地点では砒素について農業用水基準を上回っております。一方でニセコアンベツ2号川(ニセコアンベツ川との合流前地点)のE地点においてはその基準値を下回っておりました。銅、亜鉛に関しては全地点で農業用水基準を満たしております。F地点は取水ポイントの関係で温泉水が一部混入しているため参考値としてお考え下さい。

先行受領したもの以外の項目につきましては引き続き分析結果を待っているところであり、75日以降、順次外部専門機関から分析結果を受領できる見込みです。

また、73日には第2回のサンプル採取を同地点でおこなっており、現在分析中となります。結果判明次第、お知らせさせていただきます。

 

ニセコアンベツ2号川が白く濁ったことにより、ニセコアンベツ川並びに尻別川流域で取水制限が行われていることも認識しております。取水制限により、皆様の生活、そして農作物に大きな影響を与えておりますこと、心からお詫び申し上げます。

取水制限が行われていることを踏まえ、タンク車などを現時点で8台確保しており、ドライバーの手配でき次第、両町と調整の上、給水を開始できればと考えております。地元のみならず、公的機関や民間企業へ車両確保に動いておりますが、リース可能な台数が限られているのが現状です。十分な台数ではないこと重々承知しておりますが、引き続き台数確保に努めてまいります。

 

弊社としては、白く濁った水の対応、一刻も早い検査結果の住民のみなさま、並びに蘭越町・ニセコ町役場へのご説明、そして噴出の抑制に全力を注いでおります。

先にご説明させて頂きました土嚢積み上げなどの対策により、白く濁った水の流入抑制に取り組んでおります。取水制限によりご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。弊社としては先に申し上げた対応に留まらず、町民の皆様のご要望に誠意をもって対応させて頂きたく、専用窓口を蘭越町に設けさせて頂きましたので、ご連絡を頂ければと存じます。

 

説明会資料:pdf20230704_住民宛ご説明会.pdf

専用窓口:070-2476-3136 (在現場担当への直通)