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米国メキシコ湾原油流出事故に係る係争の状況について

2011年5月 6日 プロジェクト

昨年4月に米国メキシコ湾探鉱鉱区Mississippi Canyon 252区画において発生した原油流出事故に伴い、本年2月18日、掘削リグの所有者兼作業実施者であるTransocean Offshore Drilling Inc.およびその関係会社(併せて以下「Transocean」)は、その責任を限定すべく海事法に基づき昨年提起した訴訟(以下「Limitations Action」)において、当社、MOEX USA Corporation(当社の100%子会社、以下「MOEX USA」)および本鉱区の10%のリース権益保有者であるMOEX Offshore 2007 LLC(MOEX USAの100%子会社、以下「MOEX Offshore」)を被告に加えました。

本年4月19日、20日及び21日、Transocean及びLimitations Actionにおける被告らは、主として他の被告からの求償および補償を求め、共同訴訟者間請求(Cross-claims)を提出し、その結果、当社、MOEX USAおよびMOEX Offshoreは、Cameron International Corporation、Halliburton Energy Services, Inc.およびTransoceanから共同訴訟者間請求を受けました。一方、MOEX Offshoreは、主張されている損害の全部または一部について、BP Exploration and Production Inc.(以下「BP」)、Transocean、Halliburton、Cameron、M-I, LLCおよびWeatherford U.S. L.P.とその関係会社が責任を負うべきとして、これらの会社からの求償および補償を求めて共同訴訟者間請求を提出しました。

他方、本年4月4日、BPは、事業パートナーのMOEX OffshoreおよびAnadarko Petroleum Corporationに対して、当事者間のOperating Agreementに基づきNotice of Disputeを送付しました。Notice of Disputeには、MOEX Offshoreに対する2011年2月28日時点の請求金額合計は約1,856百万米ドルであると記されています。これに加え、MOEX Offshoreは同日以降もBPから請求書を受領しており、直近の2011年4月5日付け請求書では、MOEX Offshoreの負担額合計は約2,067百万米ドルとされております。MOEX Offshoreは、今後もBPより請求を受けることが予想されますが、現時点で支払義務を負うことになるか否かは定かではないため、BPに対する支払いを留保し続けることになろうと予想しております。Operating Agreement上、当事者はNotice of Disputeに記載された請求を解決するために代表者を指定して協議を行うこととされており、MOEX Offshoreも代表者を選定いたしました。なお、BPは、上記Limitations Actionにおいても、2011年4月27日、Operating Agreementの仲裁条項に基づき、MOEX Offshoreによる共同訴訟者間請求の訴訟手続の停止を申し立てております。

これらのLimitations Actionおよび係争ならびに本件に関る民事訴訟はまだ初期段階にあるため、仮にMOEX Offshore及びその関係会社が何らかの責任を負うとしても、現時点で可能性のある損失の額を合理的に見積もることは困難です。MOEX Offshoreは、今回の事故に伴う費用負担やその関係会社の潜在的な責任の範囲についても現時点で査定することはできないと当社に伝えてきております。従って、現時点では当社業績への影響は不明です。