SECTION 01MOECO流「グローバル企業」を語る

対談
EMEA事業部 マネージャー 清松 国雄

清松 国雄 KIYOMATSU KUNIO

EMEA事業部 マネージャー
商学部 卒 / 1997年入社

入社以来、アジア、米、そして欧州など、幅広い地域を担当。ベトナムのハノイ事務所開設に貢献し、現在は新たに進出したノルウェーをはじめとした欧州・中東地域を担当している。

アジア第一事業部シニアマネージャー 山西弘樹

山西 弘樹 YAMANISHI HIROKI

アジア第一事業部シニアマネージャー
地球システム工学専攻 修了 / 1997年入社

学生時代から石油開発の仕事に狙いを定め、海外に行ける会社ということでMOECOに入社。 入社以来、半分以上が海外駐在。
現在はアジアの広範なプロジェクトを技術面でサポートしている。

規模が大きくグローバルな仕事ができる、それがMOECOです(清松)

まずは入社動機をお聞かせいただければと思うのですが、
やはりお二人は、グローバルな会社ということでMOECOを選んだのですか。

山西: そうですね。私は石油を探すというダイナミックな仕事に憧れて、大学でも物理探査や地熱シミュレーションなどに関連する研究を行っていました。就職活動当時、MOECOはタイやインドネシアなどの海外プロジェクトがメインで、海外に行くチャンスが多いという点に魅力を感じました。

清松: 私は就職先として、エネルギー関係や、都市整備や道路などを手掛けるインフラ関係など、規模の大きい仕事に興味を持っていました。その中で、MOECOにはスケールが大きいだけではなく、海外拠点を持っている石油開発の企業である点に魅力を感じました。

対談
対談

お二人とも海外志向があったんですね。では、これまでの海外勤務の経歴について教えてください。

山西: 入社後すぐ、石油の現場を体感し、勉強するためにアブダビに1年間行かせてもらいました。初めて見た油田の規模の大きさにはただただ圧倒されました。戻ってからは技術部に少し在籍していましたが、その後、当社の主力事業であるタイの事業で、当時オペレーターとして操業していたUnocal Thailand(現Chevron Thailand)に出向しました。外資系の会社だったので、当然言語は英語ですし、ワークスタイルもまったく違うため、慣れるまでには時間がかかりました。その後日本に戻りましたが、また、タイに行き、これまで6年半をタイで過ごしています。

清松: 私は事業部志望で入社しましたが、事務系はまずお金の流れを把握できるよう財務経理部門を経験させるべきとのことで、財務部(現在の経理部)からスタートしました。
毎月、タイ沖のガスの収入などの数字を見ていて、金額の桁が多いのに驚きました。プロジェクトにかける保険料も数億円という単位、経理部でお金の流れを追っているだけでも十分にその仕事のスケールの大きさは実感できました。石油業界の中でも上流に位置しており、また、意思決定を求められる場合も多く、恵まれている環境だと実感しました。その後、ハノイ事務所を新たに立ち上げるプロジェクトで、バンコク事務所での準備活動に始まりハノイ事務所開設に至るまで自分の手で実現することができました。事務所の物件探しから現地社員の雇用など、何もないところから新たに事務所を作るのは大変でしたが、非常に充実した仕事でした。

それぞれ貴重な経験をされていますね。そんな経験豊富なお二人ですが、現在の仕事を教えてください。

山西: 今はタイ・ミャンマーの既存案件の管理と新規案件の発掘を行うアジア第一事業部で、技術者として埋蔵量評価や開発・操業費用試算、パートナーとの技術討議などを担当しています。入社時の希望通り、海外出張の機会も多く現地のスタッフとも交流できますし、現在は複数プロジェクトの広範な業務を任されています。これも組織がコンパクトだからこそですが、業務の代替えがしづらいなどの苦労もあります。現在、日々の仕事はオフィスでパソコンに向かっているか、会議に参加しているかなので、たまに現場に行って、石油開発業界で働いているという実感を味わいたくなりますね(笑)。

清松: 私がいるEMEA事業部は、Europe、Middle East、Africaの頭文字を取ったもので、非常に広域な国と地域をカバーしています。私の担当はノルウェーと中東地域の既存事業および新規案件の取得です。とくに新規案件の取得は巨額の投資を伴うことが多く、投資案件が会社の明暗を分けるといってもいいでしょう。その分大きなプレッシャーを感じますが、どのような事業もほぼ1人1プロジェクト体制をとっているため、プロジェクトの全体像をすべて把握しながら管理業務を遂行できることはこの仕事の醍醐味といえます。

対談

石油が出る瞬間に立ち会えたことは忘れられない体験です(山西)

次にこれまで経験した海外の仕事の中で、一番印象に残っていることを教えてください。

山西: なんといっても、タイの現場で出油に立ち会えたことです。当社のオペレーター事業であるSiam Moecoのタイ陸上探鉱鉱区の試掘に立ち会った時、生産テストで黒褐色の液体、油を目の当たりにしました。その油が400バレル容量の貯油タンクを徐々に満たしていく様子を見た時の興奮は、今でも鮮明に覚えています。

清松: 山西さんのその話は聞いたことがありますが、“技術者冥利に尽きる”とはまさにこのことですよね。私は、ベトナム駐在時に、それまで停滞気味であったベトナム政府とのガス価格交渉が一気に進展し、基本合意書の調印に携われたことが一番印象に残っています。合意に至る最後の1ヵ月は、契約書の内容・文言についてジョイントベンチャー・パートナーのChevronと東京本社との調整に奔走し、寝ても覚めても契約書のことで頭が一杯でした。

山西: 清松さんの話もうらやましいなと常々感じています。入社から15年以上経過して、お互いいい経験しているよな(笑)。

対談
対談

グローバル企業としてのMOECOをどう思いますか。

山西: 案件のほとんどが国外、本社以外の拠点も国外のみなので、いうまでもなくグローバル企業でしょう(笑)。グローバル企業としての課題は、他のグローバル企業と共同事業体を組んでプロジェクトを運営していくので、意思決定のスピードをもっと上げていかなければと感じています。

清松: 確かに社内手続きに時間がかかることがありますね。海外子会社が機動的に動けるよう稟議システムの改良・権限委譲等に工夫の余地は十分あると思っています。英語に関しては、すでに現地子会社とのメールは、現地スタッフとの情報共有のために英語で行われているので、その点はグローバルだと思いますが。

山西: 英語は当たり前という世界ですが、私はタイの駐在が長かったのでタイ語も少々話せます。これは会社の語学研修をサポートする制度を利用して習得しました。語学を習得するための制度や環境は充実していると思いますよ。

清松: 私もベトナム語を現地で習っていましたが、ベトナムでも仕事はほとんどが英語だったため、使う機会はあまりありませんでした。現地のマーケットなどでこちらの意思を伝えるときにはかなり役立ちましたけど(笑)。

山西: タイなどの東南アジアでは時間の感覚が日本とは異なり、ルーズで困惑しました。でも2度のタイでの駐在経験を経てすっかりなじみ、気にならなくなりました。もしかしたら日本人的な感覚を失いつつあるかもしれません(笑)。

では最後に、今後の目標と、MOECOの今後の海外展開に寄せる期待をお聞かせください。

山西: 会社人生を35~36年と考えれば、今ちょうど折り返し地点。今後は、これまでの経験・知識・技術を次の世代に伝承していくなど、会社に恩返しをすることも考え始めなければいけないのでしょうが、欲をいえば、場所は問わずあと1~2回は海外駐在させてもらいたいなと思っています(笑)。

清松: 山西さんと同じように、私も再度海外に赴任して最前線の熱を感じながら働きたいと思っていますね。若手に譲れという話でしょうけど(笑)。目下の目標としては、現在担当しているノルウェーで新たな案件を取得し、大規模な埋蔵量を確保することです。また、タイ以外でもオペレーター事業を行うことが当社の今後の成長のためには欠かせないと思いますので、そういった面でもこれまでの経験を活かして、新規案件の取得のために海外の最前線で活躍したいですね。

どうもありがとうございました。

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